ICFのコーチングログとは、ACC・PCC・MCC資格の取得に向けて、コーチングを行ったクライアントと、修了した有償・プロボノの時間を記録したものです。
資格申請の際にログを提出する必要はなく、合計のコーチング時間を報告します。ICFは、こうした記録を整理しやすくするために、無料のコーチングログ・テンプレート「Client Coaching Log」を提供しています。
重要ポイント
- コーチング1時間とは、自分をコーチとして依頼したクライアントとの60分間のセッション1回分を指します。30分のセッションは0.5時間として数えます。
- 個人クライアントごとに、氏名、連絡先、コーチングの開始日と終了日、有償・プロボノの時間を記録します。
- チームコーチングとグループコーチングは別に記録します。参加者1名の氏名とメールアドレスに加え、参加人数を記載します。
- ログにクライアントの情報を記載する前に、各クライアントの同意を得ます。
- ICFは、申請時にも監査時にもコーチングログの提出を求めていません。合計時間を報告し、ICFの基準を満たしていることを確認します。
ICFが認めるコーチング時間とは
ICFは、コーチング実績の1時間を、自分をコーチとして依頼した相手との60分間のセッション1回分と定めています。それより短いセッションは、時間に比例して計算します。たとえば、30分のコーチングセッションは0.5時間です。
クライアントから金銭または物々交換で対価を受けた場合、そのコーチング時間は有償とみなされます。業務の一環として行うコーチングや、組織との取り決めを通じて行うコーチングも有償時間に含まれます。
プロボノの時間とは、対価を受けずにボランティアとして提供するコーチングセッションです。有償の時間とプロボノの時間は、別々の列に記録しましょう。
専門的な活動の中には、クライアントへのコーチング実績として認められないものもあります。メンターコーチング、コーチング・スーパービジョン、クライアントとのアセスメント結果の振り返り、研修、指導、ワークショップのファシリテーションなどです。直属の部下へのコーチングも対象外です。
トレーニングプログラムの中で行うコーチングや、受講生、トレーナー、メンターを相手にしたコーチングが認められるのは、教室の外で行い、実際のクライアントが相手で、教育時間とは別に数える場合に限られます。
また、コーチング実績として数えられるのは、コーチング教育を始めた時点以降の時間だけです。ICFはこの起点となる教育を、30時間以上で、そのうち24時間以上がICFコア・コンピテンシーを扱う講座と定めています。
資格レベル別のコーチング時間とクライアント数
ICF資格には、レベルごとに合計コーチング時間、有償時間、クライアント数の要件があります。
ACCとPCCの申請者は、申請前18か月以内にも一定時間以上のコーチングを行っている必要があります。
| 資格 | コーチング時間 | 有償時間 | クライアント数 | 直近18か月の時間 |
|---|---|---|---|---|
| ACC | 100 | 75 | 8 | 25 |
| PCC | 500 | 450 | 25 | 50 |
| MCC | 2,500 | 2,250 | 35 | 記載なし |
教育、メンターコーチング、パフォーマンス評価など、各レベルのその他の要件については、ICF ACC資格の要件、ICF PCC資格の要件、ICF MCC資格の要件の各ガイドをご覧ください。
クライアントごとに記録する情報
クライアントの種類ごとに残すべき情報は、ICFのコーチング実績要件のページで説明されています。
個人クライアント
個人クライアントごとに、氏名と連絡先を記録します。コーチング契約の開始日と終了日、修了した有償・プロボノの時間数も記載します。
チーム・グループのクライアント
チームコーチングとグループコーチングの記録は、個人クライアントの記録とは分けて管理します。
チームやグループごとに、参加者1名の氏名とメールアドレス、コーチングの開始日と終了日、有償・プロボノの時間、参加者の総数を記録します。
参加者はそれぞれ1人の個人クライアントとして数えます。ただし、コーチング時間は参加人数にかかわらず、セッションの長さに基づいて計算します。
たとえば、参加者6人で1時間のセッションを行った場合は、コーチング1時間・クライアント6人として数えます。
ICFが認めるのは15人以下のグループです。ただし、共同コーチがいて、コーチング時間をコーチ間で分け合う場合はこの限りではありません。
アジェンダは参加者が決め、セッションにはリアルタイムのやりとりが含まれている必要があります。
社内クライアントと組織経由のクライアント
所属する組織内のクライアントや、依頼元の組織を通じてコーチングを行うクライアントも、ほかのクライアントと同じように記録します。
組織によっては、守秘義務に関する方針により、コーチが個々のクライアントの詳細を記録できない場合があります。その場合ICFは、代わりに会社のレターヘッドを使用し、署名を付した証明書(リファレンスレター)を求めています。
この証明書に必要な記載事項は、ICFのコーチング実績要件のページで確認できます。
シンプルなICFコーチングログのテンプレート
ICFが挙げている項目を使えば、基本的なコーチングログを作成できます。
下の表は、それらの項目に、個人コーチングかグループコーチングかを区別する列を加えたものです。個人クライアントは1人につき1行、チームやグループは1つにつき1行を使います。
| クライアント名 | 連絡先 | 個人/グループ | 人数(グループのみ) | 開始日 | 終了日 | 有償時間 | プロボノ時間 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
ICFも独自の「Client Coaching Log」テンプレートを、会員・非会員を問わず無料のスプレッドシートとして提供しています。
このテンプレートでは、クライアント情報、セッションの日付、個人/グループの別、有償・プロボノの時間を分けて記録できます。
ICFは、コーチング時間をセッションのたびに記録していくことを勧めています。
クライアントの同意とICFの監査
ICFは、コーチングログにクライアントを記載する前に、本人の同意を得るよう求めています。同意を得たことを記録に残し、EUのGDPRや日本の個人情報保護法など、適用されるプライバシー関連の法律に沿ったログにしておきましょう。
同意が得られないクライアントについては、ログに氏名を記載しないでください。ただしその場合、ICFが申請を監査した際に、そのセッションを証明できなくなる可能性があります。
ICFは、コーチング実績を確認するため、資格申請の監査を随時行っています。申請が監査の対象に選ばれた場合は、ICFから手順の案内があり、追加の書類を求められることもあります。
監査の際にも、コーチングログそのものの提出は求められません。
申請時のコーチング時間の報告
ICF資格を申請する際は、合計のコーチング時間を報告し、自身の実績がICFの基準を満たしていることを確認します。
最初のクライアントから正確なログを付けておけば、合計時間を確かめやすくなります。有償時間やクライアント数、さらにACCとPCCの場合は申請前18か月以内の時間を確認するのにも役立ちます。
ICFが申請を承認したら、最後のステップは試験です。
ACCを申請する場合は、ICF ACC試験ガイドで試験の要件と形式を解説しています。ICF ACC Mastery 試験対策&練習コースで準備を進めることもできます。
ICFコーチングログに関するよくある質問
ICFのコーチングログとは何ですか?
ICFのコーチングログとは、ICF資格の取得に向けて、コーチングを行ったクライアントと、修了した有償・プロボノの時間を記録したものです。ICFは、個人クライアントごとに、氏名、連絡先、コーチングの開始日と終了日、有償・プロボノの時間を記録するよう求めています。
ICFにコーチングログのテンプレートはありますか?
ICFは「Client Coaching Log」という無料のコーチングログ・テンプレートを提供しています。coachingfederation.orgで、会員・非会員を問わずスプレッドシート形式で入手できます。このテンプレートでは、クライアントの詳細、セッションの日付、個人/グループの別、有償・プロボノの時間を分けて記録できます。
コーチングログをICFに提出する必要はありますか?
資格申請の際に、コーチングログをICFに提出する必要はありません。代わりに合計のコーチング時間を報告し、ICFの基準を満たしていることを確認します。ICFが申請を監査することはありますが、監査の際にもコーチングログそのものの提出は求められません。
プロボノの時間はICFのコーチング時間に含まれますか?
プロボノの時間は、ICF資格に必要なコーチング実績の合計時間に含まれます。ただし、資格ごとに有償時間の最低要件があります。ACCは100時間のうち75時間以上、PCCは500時間のうち450時間以上、MCCは2,500時間のうち2,250時間以上が有償である必要があります。
ICF向けにグループコーチングの時間はどう記録すればよいですか?
ICF向けにグループコーチングの時間を記録する際は、グループごとに、個人クライアントの記録とは分けて管理します。参加者1名の氏名とメールアドレス、コーチングの開始日と終了日、有償・プロボノの時間、参加人数を記載します。参加者はそれぞれ1人のクライアントとして数えますが、コーチング時間はセッションの長さに基づいて計算し、参加人数を掛けることはありません。認められるのは15人以下のグループのみです。ただし、共同コーチがいて、時間をコーチ間で分け合う場合はこの限りではありません。
