ICF資格の申請には、資格ごとに2つの経路があります。レベル1、レベル2、レベル3のプログラムを修了した方は、プログラムの修了証を添えて、対応するレベルの経路から申請します。それ以外のコーチング教育を受けた方は、ポートフォリオ経路から申請します。ポートフォリオ経路は提出書類が多く、申請料が高く、審査にも時間がかかります。
重要ポイント
- ACCにはレベル1/レベル2経路とポートフォリオ経路があります。PCCにはレベル2経路とポートフォリオ経路、MCCにはレベル3経路とポートフォリオ経路があります。
- レベル1/レベル2経路とレベル2経路では、メンターコーチングとパフォーマンス評価がプログラムに含まれています。
- ポートフォリオ経路の申請者は、教育の記録を提出し、メンターコーチングを自分で手配し、録音したコーチングセッションを提出します(ACCとPCCは2027年4月1日まで)。
- 申請料は175〜900米ドルで、ICFが示す審査期間は4〜18週間です。
- 2027年4月1日以降に提出するACCとPCCのポートフォリオ申請では、パフォーマンス評価に代わり、強化されたメンターコーチングが求められます。
ICFの申請経路と対象者
資格ごとに見ると、求められるコーチング実績時間とICFの試験は、どちらの経路でも同じです。違いは、提出する教育、メンターコーチング、パフォーマンス評価にあります。
ACCのレベル1/レベル2経路
レベル1またはレベル2プログラムの修了証を持つコーチのための経路です。レベル1プログラムでは60〜124時間、レベル2プログラムでは125〜175時間の、コーチングに特化した教育を受けます。
このほか、8人以上のクライアントに対する100時間以上のコーチング実績(うち有償75時間以上)が必要で、そのうち25時間以上は申請前18か月以内のものでなければなりません。さらに、ICF ACC試験に合格する必要があります。詳しくはICF ACC資格の取得要件をご覧ください。
PCCのレベル2経路
PCCのレベル2経路は、ICF認定のレベル2プログラムを全課程修了したコーチのための経路です。必要なコーチング実績時間などのステップは、ICF PCC資格の取得要件にまとめています。
MCCのレベル3経路
MCCのレベル3経路は、レベル3プログラムの修了者のための経路です。ICFによると、レベル3プログラムには、この経路に「必要な教育とメンターコーチングの時間が含まれています」。MCCはどちらの経路でも、PCC資格を現在保有しているか、過去に保有していたことが条件です。その他の要件はICF MCC資格の取得要件で解説しています。
ポートフォリオ経路
ポートフォリオ経路は、継続コーチ教育(CCE)講座や、ICF認定ではない教育を受けたコーチのための経路です。PCCとMCCの申請者は、認定教育と非認定教育を組み合わせることもできます。ただし、MCCの申請者はこの経路でレベル3の教育を使うことはできません。
ICFはポートフォリオ経路について、「カリキュラムがICFの事前承認を受けていないため、審査に時間がかかり、申請料も高くなります」と説明しています。
ACTPやACSTHのプログラムを受講した場合や、レベル1またはレベル2プログラムの一部のみを受講した場合については、ICFが別途申請ガイダンスを用意しています。
経路ごとの提出物
ACCのレベル1/レベル2経路とPCCのレベル2経路では、プログラムの修了証を提出します。メンターコーチングとパフォーマンス評価はプログラムに含まれています。MCCのレベル3経路では、メンターコーチングはプログラムに含まれており、録音したコーチングセッション2件と書き起こしを提出します。
ポートフォリオ経路の申請者は、さらに多くのものを提出します。
- 教育の記録を提出する:日付と合計時間を記載した修了証または署名入りの証明書、同期型と非同期型の時間の内訳(同期型が50%以上であることが最低要件)、シラバスまたは概要と講座の教材を提出します。ICF認定ではない教育については、ICFの基準を満たしていることを示すために、プログラムのカリキュラムを提出します。
- 最低時間数を満たす:同期型の教育を、ACCでは30時間以上、PCCでは62.5時間以上、MCCでは100時間以上修了します。ICFコア・コンピテンシーに焦点を当てた教育は、ACCで48時間以上、PCCで100時間以上、MCCで160時間以上修了し、すべてのコンピテンシーを網羅する必要があります。
- メンターコーチングを自分で手配する:3か月以上かけて10時間を修了します。そのうち3時間以上は個別セッションでなければなりません。誰がメンターコーチになれるかは、コーチング・スーパービジョンとメンターコーチングの違いを解説した記事で説明しています。
- パフォーマンス評価を提出する:書き起こしを添えた録音セッションを、ACCでは1件、PCCとMCCでは2件提出します。
ICFは、教育時間をすべて修了してから申請書を提出するよう求めています。
ICFの申請経路の比較
会員と非会員の申請料の違いについては、ICF会員に関する記事で比較しています。
| 経路 | コーチング教育 | メンターコーチング | パフォーマンス評価 | 申請料(会員/非会員) | 審査期間 |
|---|---|---|---|---|---|
| ACCレベル1/レベル2 | レベル1またはレベル2プログラムの修了証 | プログラムに含まれる | プログラムに含まれる | 175米ドル/325米ドル | 4週間 |
| ACCポートフォリオ | 60時間以上(認定・非認定を問わない) | 10時間(各自で手配) | 書き起こし付きの録音1件 | 475米ドル/625米ドル | 14週間 |
| PCCレベル2 | レベル2プログラムの修了証 | プログラムに含まれる | プログラムに含まれる | 375米ドル/525米ドル | 4週間 |
| PCCポートフォリオ | 125時間以上(認定・非認定を問わない) | 10時間(各自で手配) | 書き起こし付きの録音2件 | 750米ドル/900米ドル | 18週間 |
| MCCレベル3 | レベル3プログラムの修了証 | プログラムに含まれる | 書き起こし付きの録音2件 | 675米ドル/825米ドル | 18週間 |
| MCCポートフォリオ | 200時間以上 | MCC保有者による10時間(各自で手配) | 書き起こし付きの録音2件 | 675米ドル/825米ドル | 18週間 |
ICF資格の申請ステップ
ICFのApply for a Credential(資格申請)ページでは、6つのステップが示されています。
- 教育と経験を確認する:受けたコーチング教育を見直し、コーチング実績時間を記録します。
- 申請経路を確認する:資格経路診断(Credential Path Survey、ACC・PCC・MCC用)に回答し、どの資格とどの申請経路の対象になるかを確認します。
- 書類を準備する:プログラムの修了証をそろえ、ICF認定ではない教育があればその記録を用意し、コーチング実績時間、メンターコーチングの詳細、必要な録音を準備します。
- 申請書を作成して提出する:資格経路診断の回答後に表示されるリンクから申請を始めます。
- 申請状況を確認する:提出と支払いが済んだら、申請状況を確認します。遅れを防ぐため、ICFから確認の依頼があれば速やかに対応しましょう。
- ICFの試験を受ける:申請が承認されたら、必要なICFの筆記試験の準備をして受験します。
2027年の申請経路の変更点
ICFは、「2027年4月1日をもって、ACCおよびPCCのポートフォリオ経路ではパフォーマンス評価が要件ではなくなる」と発表しました。この日以降に申請するACCとPCCのポートフォリオ申請者は、ICFのメンターコーチ・スペシャライゼーション(MCS)を保有するメンターコーチのもとで、強化されたメンターコーチングを修了します。少なくとも3回のコーチングセッションをメンターコーチが観察・レビューし、そのメンターコーチがコンピテンシー・レビューフォームを作成します。
ICFによると、ACCのレベル1/レベル2経路とPCCのレベル2経路の申請者は、何も変える必要はありません。新しいメンターコーチング要件は、コーチング教育プログラムの中に組み込まれます。2027年4月1日より前に修了したレベル1またはレベル2の修了証は、その日以降に提出する申請でも引き続き認められます。
MCCの申請者は、引き続きパフォーマンス評価を受けます。2027年1月1日以降は、すべての資格の申請者(ACC、PCC、MCC)が、MCSを保有するメンターコーチのもとでメンターコーチングを修了する必要があります。MCCの申請者については、それより前に修了したメンターコーチングの時間も認められます。
コーチング実績時間とICFの試験
資格の要件として数えられるのは、コーチング教育を始めた後に行ったコーチングの時間だけです。記録の方法は、ICFのコーチングログに関するガイドで解説しています。
どの経路でも、ICFの試験への合格が必要です。ACCの申請者はICF ACC試験を、PCCとMCCの申請者はICF資格試験を受験します。各資格レベルの試験については、ICF資格試験ガイドで解説しています。対策にはICF ACC Mastery 試験対策&練習またはICF PCC/MCC試験対策・練習をご活用ください。
ICF資格申請に関するよくある質問(FAQ)
ICFの資格申請とは何ですか?
ICFの資格申請とは、コーチが国際コーチング連盟(ICF)にACC、PCC、MCCの資格を申請する手続きです。資格ごとに2つの申請経路があり、ACCはレベル1/レベル2経路またはポートフォリオ経路、PCCはレベル2経路またはポートフォリオ経路、MCCはレベル3経路またはポートフォリオ経路です。
ICFのレベル1とレベル2の違いは何ですか?
ICFのレベル1プログラムとレベル2プログラムの違いは、教育時間数と、それぞれがつながる資格です。レベル1プログラムは60〜124時間のコーチングに特化した教育で、ACC資格につながります。レベル2プログラムは125〜175時間で、PCC資格につながります。レベル2の修了証があれば、レベル1/レベル2経路からACCを申請することもできます。
ICFのポートフォリオ経路とは何ですか?
ICFのポートフォリオ経路は、継続コーチ教育(CCE)講座、ICF認定ではない教育、または認定教育と非認定教育の組み合わせでコーチング教育を受けたコーチのための申請経路です。ポートフォリオ経路の申請者は、教育時間を自分で記録して提出し、メンターコーチングを自分で手配し、より高い申請料を支払います。ICFの審査にも時間がかかります。
ICFの資格申請の審査にはどのくらいかかりますか?
ICFの審査期間は申請経路によって異なります。ICFが示す目安は、ACCのレベル1/レベル2経路とPCCのレベル2経路が4週間、ACCのポートフォリオ経路が14週間、PCCのポートフォリオ経路とMCCの両経路が18週間です。
レベル1、レベル2、レベル3のプログラムを受けていなくても、ICF資格を申請できますか?
はい、レベル1、レベル2、レベル3のプログラムを受けていなくても、ICF資格を申請できます。その他のコーチング教育やCCE講座を受けたコーチは、ポートフォリオ経路から申請します。この経路は審査期間が長く、申請料も高くなります。
